2010年05月09日

30年前の「This is it !」

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ワタクシ、初めてアメリカ行ったの、確か1980年でした。もちろんパック旅行とかナンタラツアーじゃありませんから、ぜ〜んぶ自分で自分の面倒みなきゃいけないわけで、移動手段として選んだのがレンタルバイクでした。とりあえず乗り物が無いと、な〜んも出来ませんからね、アチラ。

クルマに比べればず〜っと安かったですし、気楽〜な感じもしましたしね。ロスのセプルベーダって通りにあるレンタバイク屋(兼・中古バイク屋)で借りたのが、Z750Twinです。バイクは他にもいろいろあったんですが安かったんですよ。人気なかったんでしょうね、あのバイク。んで、教えてもらった近所の用品屋さん行きましてベルのRT買って、はい、もう自由の身です。

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それから3週間ほど、まぁいろんなトコロ行きました。仕事半分自由時間半分みたいなスケジュールでしたんで、ヒマ見つけちゃバビ〜〜〜ンって走り回りましてね。この時の珍道中で本が一冊書けるくらいのスチャラカな出来事の毎日だったんですが、そりゃちょっと置いといて、明日はバイクを返却に行くって日の夕方、ベーカーズフィールドっていうロスからもっと内陸に入ったモハビ砂漠の入口の辺りにある小さな街で事件はおきました。

フリーウェイ降りようと思ってシフトダウン…したつもりが、左足が空振りっ!。「ナヌ〜!」って足もとを見ますと、チェンジペダルがありません。まさに目が点。一拍置いて、シエラネバダ山脈にまでコダマする声で叫ばしていただきましたよ「オ〜・マイ・ガ〜〜〜!!!」。あんなモン、セットボルトが緩むことはあっても、本体まで抜け落ちちゃうんなんて考えられませんよね。でも無いんです、シフトペダル。

降り口にさしかかったトコロでしたんで、そのまま一般道へ出て信号で停まります。ギアはもちろん5速に入ったまんまです。さてさて信号が青になって再スタート。けっこうトルクのあるバイクですから、まぁなんとかなるとは思ったんですが、ギョイ〜〜〜ンって悲しくなるぐらい半クラで回してやんないと走り出してくれません。無免許でクラッチ付き原付に初めて乗った中学生みたいな発進です。

トランスミッションってのは、なんて便利なモンなんだ!と感心してるヒマもなく、Go Stopは次々とやってきます。なんとか走り出すことが出来るには出来るんですが、いくらなんでも無免許中学生発進を繰り返していたんじゃすぐにクラッチ板が燃えて無くなっちゃいそうでしたし、クルマの流れに乗ってスムーズに加速したり減速したりが、まぁまともに出来ません。

路肩に、エンジンからちょっと焦げくさい臭いのするZ750Twin停めて「どうすんべぇ」とアタマかかえていてもしょうがないので、通る人に「ねぇねぇこの辺にバイク屋さん、ない?」って聞いてみるんですが、「知〜らない」とか「無いんじゃないの、この街には」とか、まぁ皆さんなんて心優しい方ばっかりなんでしょう。今じゃどのくらい発展したか知りませんけど、当時のベーカーズフィールドってのはせいぜい奈良の北之庄みたいなド田舎です。無理もないんですがね。

まぁバイク屋があったところで「Z750Twinのシフトペダル」なんてピンポイントなパーツの店頭在庫あるわけもないですし、あのセレーションってメーカー毎に違いますから他の流用なんて簡単に出来ないのは分かってます。けっこう途方に暮れていますと、道の向こうの方に雑貨屋さんみたいなのが見えましてね。アメリカングラフィティで、眼鏡のテリーがお酒を買いに入ったような「田舎のなんでも屋さん」って感じのお店です。

まぁダメ元で行ってみましたよ「ここで売ってるモンでなんとかなんね〜かな〜」って。神経質そうな店主のオヤジを横目で見ながら、商品を物色します。動きが怪しいのは当たり前ですよね「バイクのシフトペダルの代用になるモノ、もしくはその方法」を探してるんですから。どう見ても、キョロキョロしながら何かを万引きしようとしているJAPにしか見えないでしょう。

でもこっちだって必死ですからね、グルグルぐるぐるお店の中を歩き回っていますと、いつの間にかオヤジが後ろにピタリと付いて「何が欲しいんだ!」って、今にもS&Wの6-1/2インチロングバレル44マグナムを抜きそうな顔で立ちはだかってやがりましてね。ま、オヤジさんのお気持ちも、分かります、はい。

「いや〜ん、そんなので撃たれたらお肉ぜんぶ飛び散っちゃうから22口径くらいにしてくれませ〜ん?」なんてジョーク言ってる余裕なんかないですから「実はバイクの…」って慌てて事情を説明しました。そしたらオヤジ、アゴをしゃくって「コッチ、来な」って抜かしましてね。お店の奥にのれんみたいなので区切られた一角がありまして、そこは工具がズラっと置いてあるコーナーでした。

「んだよ〜、こんなにいっぱい工具あるんじゃんか〜!早く教えてよ〜!」って言ってやろうかと思ったんですけど、オヤジは間髪入れずに「This is it !」って、ある工具を差し出しましてね。オヤジの手にあったのは、いかにも出来の悪い、安っぽいプライヤーです。

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それが、ワタクシとピーターセンのバイス・グリップとの、出会いでした。

posted by 用務員 at 21:55| Comment(3) |  Pastime | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
私もやりました…それ、ブルタコで。 1回目はイーハトーブで2回目は昨日! いずれも見つかったのでセ〜フ!
Posted by ぼんずやま at 2010年05月10日 18:29
うわ〜、80年、アメリカ、Z750Twinでウエスタン・ブーツ履いてんのんですか?セプロ・ベダってバニシングin60思い出しましたが、治安のややこしいトコが多いイメージです・・・。かなりリーズナブルっぽく見えますね!青春真っ盛り。ベーカースフィールドみたいなトコ何しに行ったん?
Posted by ほりぐち at 2010年05月10日 21:41
ボンズさんも落としましたか!。でもよく見つけたな〜。オフロードであれ探すって大変だったでやんしょ?。ワタシなんか、落として何マイルだか何10マイルだか走ってたと思うんで、すぐに諦めましたぁ。

グッさん、どこ見とるんやぁ。あれはウエスタン・ブーツやのうてフライのペゴス・ブーツやねん。そんで、まだ現役でウチにあるねん。モノ持ちええやろ。セプルベーダって、なんだかメキシカンみたいな人のお店とか多かったような。ま、そのバイク屋もかなりインチキ臭い感じしたけどね。
ベーカーズフィールドは、確かヨセミテ行った帰りだったと思うだすよ。フレズノとか通ってねぇ。う〜ん、会話がポパイ世代やな〜。
Posted by 用務員 at 2010年05月17日 03:12
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