2011年02月27日

平成と昭和に出会う日曜日

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先日わが家にやってきたBMXのフレームの塗装をザクザクと剥がしまして、さっそく塗り始めちゃいました。ここんところアララっていうくらい温かかったり急に冷え込んだりと、塗装をするにはなかなかタイミングが難しいですね。温かいうちにどんどん手を進めないとっと。

で、サフを吹いて、例によってお風呂場&ストーブ乾燥室に閉じ込め放置プレイにして、待ち時間は部品調達に出かけることにしました。…といっても、今回はそんなに気を入れてレストアしてるわけでもないので、ホンの小物だけ。ニップルは新品にしたかったもので、それを探しに。

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行ってみたのが、大きな通り沿いにある、巨大な自転車量販店です。店頭にはナン100台って自転車がおいてありますしね、ここならニップルくらい絶対に有るだろうと。別にスイス製DTのアルミニップル…とか言うつもりはありません。普通の真鍮にメッキの安物でオッケですから。

店内すごく混んでましてね。子供用の自転車を買いにきた家族連れやらMTBを買って行くアベックやら買い物カゴを付けにきたお姉さんやら、大賑わいです。若い店員さんが6人くらいいるんですが、誰もが一所懸命に働いてます。じっと待つ事10分ほど。やっと自分の番が来ました。

「あのぉ、ニップルのバラ売りってしてますか?」若いお兄ちゃんに尋ねてみます。するとそのお兄ちゃん「ニ…ニップ、ですか?」とポカンとした顔。「そうそう、14番のブラスにメッキのヤツで良いんですけど」「はぁ、ちょっとお待ち下さい…」と、他の店員さんのところへ。

うわぁ、面倒なお兄ちゃんに当たっちゃったなぁと思っていたら「申し訳ありません。当店ではお取り扱いしておりません」と、誰かに聞いてきたセリフをそのまんま返してくれます。ナン100台って店頭在庫のあるお店で、日にナン10台も売るようなお店に、ニップル置いてないの???。

混み合ったスーパーマーケットくらい忙しそうなんですよ、そこ。見ているとバンバン自転車売れてるし、お客さんだって引きも切らず入ってきます。レジなんてバーコードリーダーでテキパキやってますしね、若い店員さんばっかりでいかにも今風なんだけど、ニップルは、無し。



ま、ネット通販で買うべか…と帰りかけの道に、ナン10年も昔からやってるような汚〜い自転車屋さんを発見しましてね、宮田サイクルの朽ちた看板が半分外れかかってます。まぁダメもとで入ってみました、引き戸がガラガラって開きましてね。幽霊出そうな雰囲気。お店、暗いし…。

誰もいません。「すいませ〜ん、ごめんくださ〜い!」ちょっと怖そうなオジさんが奥からユックリと出てきましてね。「あのぉ、ニップルのバラ売りってしてますか?」「何番?」「14番を」「何個?」「96個、あの100個でも良いです」「ちょっと待って」「はい(怖・・・)」

そしたらオジさん、小さなバケツみたいなのを持ってきまして「要るだけ持っていきな」って差し出すんです。見れば、バケツいっぱいのニップル。ビニール袋を渡してくれて「これに入れていきな」ですって。オロオロしてると、ザクっと手づかみで2回、袋に入れてくれましてね。

高見盛の塩じゃないんだから、そんなに沢山つかまれても「いや、あの、そんなには要らないんですけど…」「あって困るもんじゃないだろ。100個数えろってか?」って、顔、怖いし。「はい、そりゃもう目分量で結構です」昔の自転車屋のオヤジさんって、こんな感じでした、確かに。

「すいません、お代は?」「そうだなぁ、100円」「はぁ?」「100円もらっとくよ」なんだかキツネにつままれたような感じです。小銭が無かったので1000円札を差し出すと、メンド臭そうに受け取って奥に引っ込み、オツリの900円を渡してくれる手が、完全に職人さんでした。


今年は平成23年でして、例の量販店は、実に健全に平成23年のビジネスを展開してるな〜って感じがしました。で、その今年は、昭和で言うと86年だそうです。ポケットにズッシリと重いニップルを詰め込んで、まだ社会のほんの一部で続いている昭和86年を感じた日曜日でした。

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posted by 用務員 at 20:12| Comment(0) |  Bicycle | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月25日

光るズゴ

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ジョーイの父ちゃんへ。こんな感じ?。
ベッドサイドの常夜灯などに使っていただいて、
ムーディーな明かりの元、4人目の子づくりに励んではいかがでしょう。

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posted by 用務員 at 18:09| Comment(1) |  Pastime | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月23日

浅き春に

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ブログに書きたい事はイロイロあったりするんですが、なんだかんだと忙殺されている今日この頃でして、まったく「忙しい」とは「心を亡くす」ってことですね。良くないなぁこういうの。いい歳したオヤジなんですから、もっとユトリを持って日々を送りたいと思う事しきり。

先日、海の仲間と久しぶりに飲む機会がありまして、前回のブログに書いた話からの派生で「自分の葬式にどんな音楽を流して欲しいか」という話題になりましてね。みんな音楽好きな連中なもんですから、そりゃもういろんなアイデアが出ること出ること。話が、止まりませんでした。

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別に、自分の葬式をドラマチックに盛り上げようなんてちっとも思わないんですけどね、なんつ〜か「なるほど、こういうヤツだったのね」と理解はしてもらいたいと言うか、自分のキャラクターに嘘の無いようなBGMに包まれたいなぁと思うのは、ま、当然ですわね。

で、このテーマ、あまりにも壮大なもんですから、次回の飲み会までの課題ってことで各自持ち帰りになりました。皆さんも自分の葬式のBGM、どんなのが良いか、考えてみません?。なかなか面白いテーマだと思います。「遺言」なんて、その程度で良いんじゃないかな〜って思いますわね。

なんつってる昨今、我がガレージに変なヤツがやってきました。DYNOっていうアメリカのB級メーカーのBMX。まぁBMXの限界点てのもある程度は分かってるつもりなんですが、なんか可愛いいいんですよね、このBMXって。で、さっそくバラしちゃいました。キャハハ、楽ちい。

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なかなかのオンボロではあるんですが、さて、どんな感じに塗り替えようかな〜なんて考え始めちゃったら夜も眠れなくなって、ゲゲゲ!ネットで調べてもぴったりサイズのスポーク売って無いじゃんと嘆いてみたり、まるで10代に戻ったようにスチャラカしてる今日この頃。

とかなんとか言ってたらA.C.T.S.の開幕も近づいてきちゃったりで、あ〜あ〜またメンドウな1年が始まっちゃうのね〜と思いつつ、「ムムム、ここんとこちょっと温かくなってきたんでないの?」と貧しいガレージライフに若干の春を感じている用務員であります。

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posted by 用務員 at 01:21| Comment(0) |  Diary | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月04日

Over the rainbow

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昨年のA.C.T.S.最終戦のすぐ後ですから10月半ば頃の事です。さすがにだいぶ涼しくなって、自転車でノンビリ走るにはもってこいの素敵な秋が訪れていました。そんな日、我が家から西の方角にひたすら走って1時間半くらい行った先の、アッケラカンとのどかな田園風景の中でのお話です。

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午後の3時ごろだったか4時ごろだったか、一天にわかにかき曇り、いきなりドッシャ〜って降ってきましてね。ちょっと気の早い夕立みたいなもんです。「やっべ〜、こりゃどこかで雨宿りしなくちゃ」と辺りを見渡しても、そこは広々とした畑のど真ん中。建物なんかありゃしません。

すると数10メートルくらい先に、ささやかな小屋というかお地蔵さんの祠(ほこら)みたいなのがありまして、とりあえずそこに駆け込むことにしました。で、中を覗きこんでビックリ仰天!。小さなお婆ちゃんがチョコンと座っているんです。さすがにギクリとしましたよ。

これは「まんが日本昔ばなし」の世界に入り込んじゃったかな〜と思いながらそのお婆ちゃんを見ると、ニコニコしながら手招きしてくれてます。「ほれ、あんたも早く雨宿りしなさい」って、優しい笑顔に引き込まれましてね。ちょっと窮屈ですが肩を並べて座らせてもらうことにしました。

聞けば、その辺り一面、そのお婆ちゃんちの畑なんだそうです。で、夕飯の材料に実った野菜を採りにきたら雨が降りだしちゃったとのこと。布の袋に詰め込んだ野菜を抱きかかえながら、ニコニコ楽しそうにお話してくれまして。キュートなお婆ちゃんって、ほんとに可愛いですね。

それが、なっかなかハイカラなお婆ちゃんでしてね。頭のホッカムリはピンクのバンダナですし、足元はお揃いにしたピンクのクロックス、それもパチもんじゃないヤツ。身長は140センチくらいでしょうか、ほんとに小さなお婆ちゃんなんです。で、聞いてビックリは、なんとオン歳91歳。

「オンナに歳聞くもんじゃないよ!」「え〜!どうみても90歳くらいにしか見えないですって!」「そういう時は嘘でも70くらいにみえるって言うもんだよぉ」って、会話もしっかりしててジョークもきいて、ボクがあと40くらい歳とってたら恋人にしたいようなタイプなんだけど。



雨はだいぶ小降りになってきたんですけど、そのまましばらくお話していますと、突然「あんた若いのに、補聴器使ってるんかい?」って言うんです。一瞬なんのことだか分かんなかったんですけどね、肩のところでプラプラしてるiPodの白いイヤホンが気になったらしいんですわ。

で、iPodの説明してあげまして「お婆ちゃんはどんな歌手が好き?」と聞きますと「そうねぇ石川さゆりサン良いわねぇ」って言うんです。ハイハイ、たんまり入ってますよボクのiPod、石川さゆりだって。「聴いてみます?」ってイヤホンを差し出すと、ほんとに嬉しそうな笑顔です。

目を閉じて聴き入っている姿、まことに申し訳ないんですが、昔のウォークマンの猿がウットリするコマーシャル思い出しちゃいましてね。でもまぁ幸せなひとときを過ごしていただければねぇ、こちらも嬉しいってもんです。雨宿りさせてもらった一宿一飯の恩義とでも申しましょうか。

「他の歌い手さんも聴けるのかい?」ってお婆ちゃん。こういう時の一瞬の選曲って緊張します。あんまり騒がしい曲は好みじゃないらしいんですが、う〜ん悩む〜。その時です、雨があがって広い畑の遥か向こうに薄らと虹が見えましてね。ふたりの前に素晴らしい光景が広がっていました。

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「こういうのは、どうでしょ?」って選んだのが「Celtic Woman=ケルティック・ウーマン」です。こんなの、若い人同士でそのシチュエーションだったら照れくさくてとても無理ですけどね、まぁ91歳のお婆ちゃんと50半ばのオヤジですから、神様もお許し下さるんじゃないかと。

- Over the rainbow -
http://www.youtube.com/watch?v=I5T6gyCPDvM

- You raise me up -
http://www.youtube.com/watch?v=6IbRQEsVhzA
こちらは、荒川静香さんが使って一気にメジャーになりました。ご存知の方も多いと思います。

YouTubeのライブ音源をmp3に変換してiPodに入れてありました。ケルティック・ウーマンは、スタジオ録音盤よりライブものが圧倒的に良いですね。会場に響き渡る空気感って、特にあぁいう雰囲気の中で聴くと抜群にマッチして、あらら、お婆ちゃん、またウォークマンの猿になってます。

で、ベタですけど、こんなのもお聴かせして。
- Amazing Grace -
http://www.youtube.com/watch?v=dzgoACjFUuw&feature=related

そしたらばお婆ちゃん、Amazing Graceを聴き終わるなり、けっこう毅然とした表情で「あたしもこれが欲しいねぇ」って言い出したんですよ。うわぁこりゃメンドウな話になっちゃったなぁとも思ったんですけど、無下に知らんふりしちゃうのも可哀想な気がしちゃいましてね。

家でCDを聴くこともお薦めしたんですが、畑仕事やりながら聴きたいって言うんですわ。で、そのまま一緒にお婆ちゃんの家まで連れて行かれまして、コンピュータを扱えるお孫さん(と言ってもアラフォーの方でしたが)にYouTubeの探し方とかmp3への変換の仕方を教えたりの大展開。

そのお孫さんは飲み込みの速い方でしたもんで、何曲か試してみてスンナリと変換まで出来るようになりました。後はiPodを買ったら、こうやって同期させて…っていうところまで説明して、その頃にはもう外は暗くなっていました。帰りの自転車2時間は、ちょっとシンドかったです、はい。

何日かして、その後お気に入りのピンクのiPodを買い、お婆ちゃんは毎日ケルティック・ウーマンを満足そうに聴いています…という簡単なメールがお孫さんから届きました。こまごま質問してこられたら困るなぁとちょっと心配だったんですが、一件落着で、まぁひと安心ってところでした。

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…という、昨年の秋の小さな出来事などはすっかり忘れて新年を迎え、すでに2月も立春という昨日、そのお孫さんから突然のように二度めのメールが送られてきました。
そこに書かれていたのは、お婆ちゃんが、亡なったという知らせでした。

メールには、1月の中旬に体調を崩されて入院し数日で息を引き取られたこと。あの日以来、片時もiPodを離さずいつも楽しそうに音楽を聴いていたこと。正月には親戚やひ孫さんたちが集まって「お婆ちゃんiPodカッコいい」と大人気になってご満悦だったこと…などが書かれていました。

そして、自分の葬儀にはこの人の歌を流して欲しいと言い遺し、お葬式が行われた地元の大きなお寺さんの広間には、ケルティック・ウーマンの歌声がずっと響いていたそうです。住職さんだかお坊さんだかも協力的で、CDのセットを用意してBGMを流す手はずを整えてくれたと言います。

さらに短い病床の最後に「畑で一緒に虹を見た自転車のお兄さんに『あの時はありがとう』と伝えて」と話していたと、お孫さんのメールには書かれていました。お礼を言いたいのは、こっちですよ、ほんとうに。お婆ちゃん、素敵な思い出を、ありがと、ね。

一緒に見た虹を、もっと大勢の皆さんに感じてもらえたら良いな…と思い、ブログに書きます。

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posted by 用務員 at 20:50| Comment(8) |  Diary | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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